「小田切・・くん?」
まさか先公だなんて思わなかった。
だってあの3Dの先公が女なんて・・論外だろ。
突然現れて何を言い出すかと思えば偽善者ぶった先公の好んで言いそうな事だった。
それに「学校に来い」なんて、何をいまさら・・。
追い出しといて、今度は来い?
先公なんかの都合で振り回されて溜まるかよ。
イライラする・・・結局コイツも所詮「先公」ってことか。
だけど、あいつは胸倉掴んだ俺を前に顔色一つ変えずに・・いや・・むしろ
駄々をこねる子供の相手をしているかのように平然としてやがった。
それに、あいつ・・・一度も目をそらさなかった。
あの目に耐え切れなかったのは俺の方だった。
真っ直ぐで強くてすんだ瞳・・・・。
俺はあいつを騙した。
俺に騙されたとわかったときのあいつ。
傷ついた顔をしてた。俺の苦手なあの瞳にも動揺が見てとれた。
ざまぁみろ・って思った。
(結局金は返したけど。)
初対面で見ず知らずだった俺を生徒というだけで信じる方が悪い。
・・・どうして・・・あいつは俺を信じられる?
その上、あいつはボコされてる俺を助けに来た。お人よしも良いとこだ。
バカじゃねぇのか?簡単だろ?見捨てろよ 俺の事。
俺は騙したんだ。
なのに・・・どうしてこんな俺のために頭を下げる?
どうしてこんな俺のために武器を持った大勢の男たちに立ち向かっていく?
おれが「生徒」だから?
生徒のいう事、真正面から信じたり、生徒救うためにバイトしたり、
生徒助けるために不利な喧嘩したり・・・・
普通しねぇだろ。そんな「先公」見たことねぇよ・・・。
「信じつづける」
あいつはそう言った。あの瞳をして。
俺はやっぱり耐え切れなくて背を向けた。
バイトもなくなったし、かといって家に帰る気分でもない。
近くの河原に寝転んだ。
山口久美子。あいつの名前。
何者だ?あいつ。
喧嘩は強ぇーし・・・
なにより、強い意志をたたえたあの瞳。
ただ者じゃねぇ、それにただの先公でもねぇ。
考えも疑問も堂々巡り。
・・・もう一度会ってみようか・・・。そう思った。
会って確かめればいい。
あいつが俺の先公になり得るか否か。
手を空に伸ばす・・・。
何か・・・つかめた気がした。
「あ・・・。」
薄暗い中に1番星が瞬き始めた空にかざした手は何かを握り締めたままだった。
あいつのハンカチ・・・。
持ったまんまだったのか。・・・でも ま 口実にはなるな。
明日は学校へ行ってみよう。
久々に日付が変わる前に家へ帰った。
次の日登校した俺を迎えたのは驚いた顔の先公どもだった。
その横を素通りして、前を見据えて歩いた。
視線の先にはあの女。
ダサいジャージにおさげ・・・そして強い瞳のあの女。
逃げない。逃げたくない。
今度は俺から目を合わせてやった。
ハンカチ返そうと思って口開きかけたけど。山口が、
「おはよう小田切。来てくれたんだな」
なんて言うから。その口で皮肉を返した。
その後、出てきた隼人と殴り合いになったから、ハンカチの事を言い出すチャンスはなくなった。
なんて頭の隅で考えてたら・・・・上から水が降ってきた。
見上げた先にはいつの間にか屋上に移動したあいつ。
そして俺らに向ってなんとも不思議な宣言しやがった。
「このまま卒業なんてさせねーからな!!」
なんてやることなすこと突拍子もない女だろう。
なんてまっすぐなんだろう。
なんて・・・
面白いんだろう。
口の端があがるのを感じた。
前言撤回・だ。
ハンカチはまだ返さない。
何の変哲も無いハンカチ。
でも『あいつの』だ。
それは小さな小さなあいつとの繋がり。
それは小さいながらも確かな繋がり。
それはー・・・。
それはいつか・・絆へと変わるだろうか・・?
END
〜稀さまからのコメント〜
勢いで作ってしまったので凄く雑になってしまいましたっ。
ごめんなさいっ。駄文というのこのSSが良い例ですね!!恐縮です・・・!
〜有希乱入コメント〜
ふふふv黒版に萌えてきた方が増えてきましたね@@ニヤニヤ。←お前もだろ。
そうかーvハンカチ借りたままだったのかーv
><;くぅ〜そこまで頭が回らなかったぁぁ(悔)←何故に。
あわわ、稀さま、全然駄文じゃないですよー!!(焦)
竜クンの心の変化がとっても分かりやすくて、「青春だなー」と頬を緩ませた私です★
私は創作には勢いが大切だと思いますよーv
誰かさんみたいに、その気持を忘れ・・・;
小心者になって全く書けなくなった人間がここに居ますからね^^;←良い見本
思いついたら書く!書きたい事を書く! 何だか初心の気持にも変える事が出来ましたv
素敵なssを本当に有難うございました!また機会があれば是非よろしくお願いしますv